俺様社長の溺愛宣言

零士side

俺はしばらくその場に立ち尽くした。

…満里奈が仕事復帰している。

いつ、帰国したのか?

一馬からは、何一つ連絡がなかった。

「…アパートに居るのか?」

ポツリと呟くと、今度は居ても立ってもいられなくなって、駐車場まで走っていくなり、車に飛び乗り、車を走らせた。

…着いたところは、満里奈の住むアパート。

インターホンを鳴らすも、誰も出てくる気配はない。

何度かインターホンを押すと、やっとドアが開いた。

「…しつこいな、誰だよ?」
「…」

中から出てきたのは、見知らぬ男。俺は思わず怪訝な顔をした。

「…あんた、誰?」
「…渡辺さんのお宅では?」

一瞬考えた相手は口を開く。

「…前の住んでた人?俺、数日前に引っ越してきたばっかりなんでよくわからないけど、引っ越したんじゃないですか?」

「…そうですか…すみません、お邪魔しました」

…引っ越した。…満里奈はもう、ここにはいない。

では、一体何処へ?

車に戻ると、ポケットから携帯を取りだし、満里奈の携帯を探す。

電話をかけてみた…が、もう、使われていない。

会社には来ているのに。満里奈の行方が分からない。

…明日、会社に行けば会えるのか?

俺にはもう、それ以外に満里奈を探す術はない。
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