俺様社長の溺愛宣言
…次の日、朝一に総務課の課長に、満里奈に来るよう伝えて欲しいと頼んでいた。

…まもなくして、社長室に連絡が入る。

「…御崎だが?」
「…総務課の浅田ですが、渡辺さんですが、急な体調不良でお休みになりました」

…体調不良で?…まだ、完治していないのか?

「…わかった、ありがとう…渡辺の連絡先はわかるか?引っ越ししていて住所も携帯も、わからないのだが」

「…そう言えば、お兄さんのマンションに越したとか、住所はですね…後、携帯番号は…です」

「…わかった、ありがとう」

…一馬と暮らしている?

…手術は確かに成功した筈。…術後の経過が思わしくないのか?

そんな事が頭から離れないまま、仕事だけはなんとかこなし、終わったのは午後9時前。

俺は、教えられた住所に向かった。

…車を停め、指定された階まで上がり、503号室の部屋のインターホンを鳴らした。

「…はい…御崎さん」
「…渡辺さん、満里奈が帰国していると聞きました。しかも、仕事復帰までしてるとは、どう言うことですか?話が違う。満里奈に会わせてください」

出てきた一馬に畳み掛ける。

「…満里奈には、会わせられません」
「…なぜですか?」

「…昨日、帰宅後から高熱を出して寝ています。今もまだ熱が下がらない。ですから今日のところはお帰りください」

「…帰りません。満里奈の顔を見るだけでも」
「…満里奈を御崎さんに任せると言いましたが、それは、出来そうにない」

「…渡辺さん!」

一馬は、扉を閉ざしてしまった。
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