俺様社長の溺愛宣言

満里奈side

…突然の零士からの電話。

久しぶりの零士の優しい低い声に、胸がキュンとなるのがわかった。

『今から行く』

その言葉に、思わずその目は時計に向かった。

…正午過ぎ。

今日は平日、昼休みとは言え、ここまで来るなんて、無理に等しい。

でも…来てほしい…会いたい。

その気持ちが…来てくれるって期待してる自分が、いる。

「…零士さん…会いたいよ」

言葉にすれば、気持ちは溢れだし、涙がほほを伝う。

その時だった。

インターホンが鳴って、私はそそくさとドアに向かうと、勢いよく開けて言った。

「…零士さん!」
「…満里奈?」

「…」

インターホンを鳴らしたのは、零士ではなかった。

「…満里奈、どうした?」
「…ぅ、ううん…どうしたの?お兄ちゃんが、インターホン鳴らすなんて、自分ちなのに」

そう言って困ったような笑みを浮かべる私の頭を、一馬は優しく撫でた。

「…満里奈を病院に検査に連れていこうと思って」
「…ぇ」

困惑顔をした私に、一馬はまた、頭を撫でると、出かける準備をするよう促した。

…零士が来るかもしれないのに、今、マンションを離れたくない。

「…お兄ちゃん、私、具合良くなったから、マンションにいるよ。明日から、仕事に行けるし、ほら、熱だって下がってるし。ね?」

「…ダメだ。行くぞ」
「…ぇ、ちょっと、お兄ちゃん!」

嫌がる私を、一馬は無理やり車に乗せて、病院に向かった。
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