俺様社長の溺愛宣言
11.俺様社長と恋の行く末
…何度か満里奈に連絡した零士。

だがしかし、何度携帯を鳴らしても、満里奈がそれに出ることはなく、心配になった零士は、早めの帰宅をした。

「…満里奈!…満里奈!」

名前を呼びながら、部屋中探し回っても、満里奈の姿はどこにもなかった。

…満里奈は一体何処に行ってしまったのか?

零士は行く先など分かる筈もなく、力なくソファーに座り込んだ。

その時だった。零士の携帯が鳴る。

着信相手は、知らない番号。出ようか一瞬躊躇ったが、とりあえず、それに出た。

「…もしもし?」
『○○病院の小林ですが』

零士は目を見開いた。小林は、満里奈の主治医だ。満里奈の身に何かあったのか?

「…先生!満里奈は?!」
『…今はなにも聞かず、とにかくこちらに来てください。お願いします』

それだけ言った小林は直ぐに電話を切ってしまった。

零士は立ち上がるなり、すぐさま病院に向かった。



息を切らせながら、病院に飛び込んだ零士の目の前に、一人の白衣を着た60代位の医師が現れた。

「…満里奈は…渡辺満里奈という患者がこちらに運ばれたと思うんですが、どこにいるか、わかりますか?」

「…こちらへどうぞ」

その医師は、微かに微笑んで、零士を奥の処置室に案内した。

「…あの、いません、よね?」

怪訝な顔で、零士が言う。

その医師は、零士に振り返るなり、深々と頭を下げた。

「…あの?一体何を?」

零士は困惑するばかり。
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