俺様社長の溺愛宣言
…風呂から上がると、ベッドの横に布団が一枚敷かれている。

「…私もお風呂に入ってきますので、御崎社長はベッドへどうぞ」

そう言い残し、満里奈もお風呂に行ってしまった。

ここまで来ると…

「…俺って男にみられてないのか?」

と、ボヤきが出てしまう。

言われるままに、またベッドに入ると、天日干しされてフカフカの布団が心地いい。

ベッドの中で、携帯で仕事の用件のメールを確認していると、満里奈がお風呂から上がってきた。

「…」

思わず絶句する。

…濡れた髪をタオルで拭きながらこちらに来る満里奈は、いじょうなほど色っぽい。

俺が起きてることに気づいた満里奈は優しい笑みを浮かべた。

そんな顔にドキッとするのは、惚れた弱みと言うべきか。

「…すみません、ちょっと髪を乾かさせて下さいね」

そう言うと、ドライヤーをかけ始める。

…一々仕草が色っぽいのは、本人は全く自覚がないようだ。

「…満里奈」

髪を乾かし終えた満里奈の名を呼ぶ。

「…どうしました?」

こちらに向いた満里奈に手招きすると、ベッド横にある布団の上に座り、俺を見る。

「…手を握って寝てもいいか?」
「…どうしても?」

「…よく眠れそうだから」
「…子供みたいですね」

「…そうだな」

俺たちは目を見合わせて、クスクスと笑う。

「…眠るまで、満里奈の家族の話が聞きたい」

手を握りそう言うと、満里奈は家族の話をし始めた。
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