俺様社長の溺愛宣言
…父、母、兄、満里奈の四人家族。

医者の父と、専業主婦の母、父と同じ道を歩く兄。

そんな三人に愛されて幸せな生活を送ってきたこと。

父と兄の溺愛のせいで、小学校、中学校、高校、大学全て、私立の女子校に通ったこと。

そのせいで、家族以外の男が苦手だと言うこと。

「…社長」
「…ん」

「…眠いんですけど」
「…悪い。もう寝ろ」

「…すみません、おやすみなさい」
「…おやすみ」

ものの数秒で眠りについてしまった満里奈。

俺はそれがなんだか可笑しくて、フッ笑みがこぼれた。

「…無防備な寝顔だな。襲われても文句言えないぞ」

満里奈の寝顔をツンツンつついてみるも、全く微動だにしない。…熟睡だ。

それをいいことに、満里奈の布団に潜り込む。

…体の関係もなく、こうして女と寝るのは初めてだ。

…と言うより、隣に女を置いて、寝ようと思ったことも無かったように思う。

「…柔らかい」

そっと眠る満里奈を抱き締めれば、柔らかくていい香りがした。

それにつられて、俺もまもなくして眠りについた。

…毎晩こうして満里奈を抱き締めて眠れればいいのにと想わずにいられなった。
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