俺様社長の溺愛宣言
「…渡辺さんは、誰かを好きになっても、無意識に、気持ちに蓋しちゃうタイプなんだね」

「…え」

「…でも、今回は、蓋できないほど、好きの気持ちが溢れでてる」

…好きの気持ちが溢れでてる?

「…俺に、直接断るとか言ってたけど、本当に嫌なら、直接会うなんてこと、絶対しないだろ?」

その言葉に目を見開く。

それを見た奏は、微笑む。

「…好きな子の事なら、何でも分かるよ」
「…へ?」

突然の告白に驚かずにはいられない。

「…俺は、渡辺さんが社長と幸せになれるなら、どうこうしようなんて思わないし、邪魔をするつもりもない。でも、渡辺さんが、社長のせいで、泣くことがあったら、遠慮なく、奪うつもりだから」

「…水嶋さん」

「…仕事中なのにごめんね。仕事しようか」
「…はぃ」

なにも言い返せないまま、私は仕事を始めた。

…昼休み。

今日は1人で社食に向かう。庶務課のみんなは、それぞれに別の仕事を頼まれ、ランチタイムがずれるらしい。

私も手伝うと言ったのに、みんな、させてはくれなかった。

…♪♪♪♪

廊下を歩いていると、突然携帯がなり、慌ててそれに出るけど

「…もしもし」
「…俺だ」

「…誰ですか?」
「…着信相手くらい見てから電話に出ろ。5分以内に、社長室に来い。いいな?」

「…え?あ!…」

切れてしまった。

着信相手を確認すると、零士。

私は慌てて社長室に急いだ。
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