俺様社長の溺愛宣言

満里奈side

どうしてそんなプライベートな事を私に教えてくれたのか。

私を溺愛してくれる零士だが、彼の私生活は全く分からなかった。

零士はそんな誰にも話さなかったであろう話を私にしてくれたと言うことは、それだけ私を信頼してくれてるのかなと思えた。

そう思ったら、勝手に口からそんな言葉が出ていた。

…食事を済ませ、片付けをした。

…今更、これからの事を考え始める。

…お風呂は?着替えは?寝る場所は?

着の身着のまま出てきた為、何の用意もしておらず、やっぱり帰った方がいいのではと思い、零士の方を見た。

「…御崎社長」
「…どうした?」

「…やっぱり…帰った方がいいかと思って」
「…どうして?」

スッと立ち上がった零士が私の目の前に来て不思議そうな顔で見下ろしている。

「…着替えとかないですし、やっぱりここで寝るとか、お風呂とかも困るって言うか」

シドロモドロに、答える私に、ニッコリ笑った零士が放った言葉は。

「…あのアパートに帰すつもり無いからって言ったはずだけど?」

「…」

そうですけど…

決定、近くのコンビニに、下着だけ買いに行き、パジャマは零士の服を借りた。

…。

「…私、ソファーでいいです」

目の前のダブルベッドに、思わず呟いてしまうも勿論拒否され、同じベッドに入ることに。

「…固まりすぎ」

そう言って、零士はクスクス笑っている。

「…固まらない方が無理です」
「…こうしててやるから目を閉じろ」

頭を優しく撫でながら、零士が言う。私はそれに従いぎゅっと目を閉じた。

…零士の手は、大きくて温かくて、撫でる手は、優しい。

1日色々ありすぎた。

私はいつの間にか眠っていた。
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