First Love〜ベランダ越しの恋〜

文化祭の準備は、放課後に毎日するようになった。


女子はメイド服の直しやメニューを考えて、男子は内装を考えていた。


「縫い物って苦手〜！」

「里奈って裁縫苦手なの？意外。」


「どうゆう意味？(笑)昔から家庭科は成績低かったんだよね〜。」


「てか、メイド服そんなに直しいらないよね？かなり可愛いし。」


「うん！先輩すごいよね。優人くん、メイド喫茶すごい楽しみにしてるよね。私似合うかなぁ…。」


里奈は可愛いから絶対似合うよ！
これはお世辞じゃなくて、本当に思ってるんだ。

でもね。

相手が優人だから、なかなか言えない。２人の幸せを願いたいのに……


里奈の健気さは私でも可愛いって思っちゃうもん。

こんな友達嫌だよね……


そんな時、龍二くんからメールの返事が来た。


【メイド喫茶！？マジっすか！羽美ちゃんがメイド服着たら絶対可愛いよp(^-^)q文化祭楽しみだな！俺のクラスは、たこ焼き屋だよ！羽美ちゃんには俺からサービスで100個でもあげちゃうよ！】


「ぷっ…」


このメールを見て、思わず笑ってしまった。なんか…確かに龍二くんは軽そうだし誤解を与えやすい人かもしれないけど、可愛い人だなって思った。

少なくとも、私は今このメールで救われた。嫉妬でドロドロした心を、少し明るくしてくれた。






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