First Love〜ベランダ越しの恋〜






「そろそろ帰ろうか。」

時計を見ると7時を過ぎていた。文化祭まで1ヶ月はある為、みんな焦っておらず用事がある人やダルくなった人など、帰る人がだんだん多くなり、今の時点で5人しか残っていなかった。


「そうだね!あ〜疲れたっ。優人くん!そろそろ帰ろう」


「もうそんな時間か。帰るか!」


じゃあ一緒に帰ろうって言おうとした時…


「あ!優人くん。今日一緒に寄って欲しいとこあるんだ!いい?」


「うんいいよ!どこ?」

「ん?ちょっとね。」



私はこの会話に入れなかった。今までなら、私も一緒にいってたと思う。でも、今の会話には入っちゃいけない気がした。

2人は付き合ってるんだから、私が割り込んだら邪魔だよね…


「じゃあ…私先帰るね。」


「ごめんね?明日一緒に帰ろうね!」



うん…。

聞こえるか聞こえないかくらいの声で、私は返事をした。



一人で帰るのがこんなに寂しいと感じたのは、今まで一度もなかった。





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