悠久のシャングリラ


「桔梗たちに
何かあったんでしょうか!?」


不安で、いてもたってもいられなくなる。


「とりあえず、
二階に行ってみよう!」

「はい!」


一目散に階段を駆け上がり、
声の方向を目指す。

目を凝らすと、
桔梗が座り込んでいるのがわかった。


「桔梗!」


声を上げる。

けれど、私たちに背を向けている桔梗は、
まったく微妙だにしなかった。

代わりに応えたのは、
同じように黙っていた藤だった。


「……ああ。
来てくれたのか」


振り返り応えたその声に、
いつもの元気さが感じられない。

そのことが、さらに不安を煽った。

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