悠久のシャングリラ


睡蓮が傍にいるだけで、
私はこんなにもーー幸せになれる。

この想いは、
昔の私では知らなかった感情だった。

でも、今なら……。


(もう認めるしか……ないのかもしれません)


このまま何も気づかず、
心地いい関係でいたいと思っていたのに。

私はいつからこんなにも
いい加減になってしまったのだろう。

認めるか、認めないか。

そう考えている時点で、
この気持ちを【認めている】に等しい。


「……はぁ…」


いつまでも心地良さに身を委ねて気付かないふりをしていても、限界というものはある。



それにたどり着いてしまったのだから、
この胸の息苦しさに名前を付けようーー。






(……私は貴女が好き、です。 ーー睡蓮)



< 154 / 306 >

この作品をシェア

pagetop