悠久のシャングリラ
『瑠璃、あの……』
そう思い、私が手を伸ばした時だった。
「っ!」
いきなり瑠璃が駆け出したと思ったら、
私を包み込むように抱きしめたのだ。
その反動を抑えきれず、
私たちは一緒に水鏡の床へと倒れ込む。
瑠璃はみんなに聞こえない……、
私にだけ聞こえる声でそっと囁いた。
「本当なら……あたしは貴方に触れることすら、おこがましいのかもしれない」
首の後ろに回された彼女の腕が、
寒くもないのに小刻みに震えている。
私は瑠璃の背中を撫でながら、先を促した。
「でも……、
このままじゃ後悔するから……」
彼女の涙が、私の頬に落ちてくる。
とても温かく、綺麗な涙だと思った。