ようこそ!きつねや漢方へ。
きつねや漢方開業
非現実
「どうして…どうして、こんな、事に?」
「どうしてって…それは、ねぇ?君が俺の後についてきたからだね。………こーんな、アヤカシが闊歩する中に堂々と、ね?」
その言葉に私は凍りつき辺りを見回した。
そう、
私は辺りを見回したのだ。
しかし目の前に広がる光景は
この世のものとは想えないほど、
ここは………
酷い惨状なのだ。
まず、ここは私の通うごく普通の高校だ。
いや、高校のはずなのだ。
だって、この見慣れた屋上も、友人とふざけ合って付けてしまったペンキの後も…全部、全部いつもと変らない光景のはず、なのだ。
あんな大きな<もの>は知らないし、半壊してる屋上だって何かの冗談だ。
しかし<ここ>が現実だと痛感させる物もいっぱいある。
先生が作った木の椅子とか(もの凄い不恰好だから見間違える分けない)
最近功績を挙げた運動部の為の垂れ幕とか、もうすぐ始まる文化祭の小道具とか、あと少しで終わる課題の入った鞄とか………
そして、極めつけは私の近くに怪我をした猫がいることだ。そのもうおじいちゃんの猫は誰かが可哀想で拾ってきて色々あって、学校で代々面倒を見ていた子だ。
しかし今目の前にいる猫は見慣れた<猫>とは違った。
そして<普通>の猫とも違う。
尻尾は二股に分かれていて、膝に顔を埋め時折
「痛い・・・助けてくれぇ、足が、痛いのじゃ」
と助けを求める声がする。そこに“彼“が近づき手当てし始める。
「うーん。待ってろよ、今手当てしてやるからな」
「………こわっぱ、めが、借りじゃぞ!」
二人の会話に唖然とした。
「風ちゃんが、しゃ、べってる??」
「そりゃあ、こんなに長生きしてんのに喋らないわけないでしょ?………確かじいさん、あんた何年目?」
ギュッと細い木の枝と包帯と何かの薬草で風ちゃんの応急処置を慣れた手つきでして行く彼。
「……っ…痛いんじゃが??」
「………応急処置終わりと、で、じいさん、改めて、何年ここにいるんだ?」
何を言っているのか分からない、何故、何で?
どういうこと?
「………かれこれ、20年………いや、もう、30年はたったかの?………1度死んだ………いや、死んでは無いのか、もうそこら辺も分からんのじゃがな。そのくらいよ。」
「………やっぱりな。餌見て何かおかしいなぁ?と思ったんだけど。」
「餌だけでは無いじゃろう?この小童が。お主こそここに居なくとも良かろうに。」
風ちゃんがジロリと透くんを睨んでいる。
「ざーんねん。俺はそろそろ免許更新出来なくなんだよね~。だから、高校の卒業証書必要なの。しっかりと卒業して取らないと五月蝿い人がいるんだよねぇ。」
「それに、ここだと今回は内部から手伝ってくれる人もいるしね。」
「ふんっ。まぁ、早く治すか何かしらせんとそろそろこやつが起きるぞ?また暴れられたら厄介じゃ。最近ろくに寝れてないと言うのに………。」
「はいはい……さぁて…こいつは、切り傷と腹下りだな。山の不法投棄のゴミでも喰ったか??それか………」
「………さっき、い、痛いって言ってた、よ、お、お腹の中が。」
「あれ?君、こいつのいってる意味わかったの?」
「な、何となく。何時も、は、聞こえない、ふりしてるけど、姿、は初めて、見た。」
私はつい言ってしまった。
しかし、この言葉が、いや、この言葉ですべてが変わってしまった。これから起こるであろう平凡な日常も、絶対に係わりたくないと思っていたモノ達との日常も全て全てこの言葉によって繋がってじしまった。
「………へぇ、君、“危ない” ね」
「どうしてって…それは、ねぇ?君が俺の後についてきたからだね。………こーんな、アヤカシが闊歩する中に堂々と、ね?」
その言葉に私は凍りつき辺りを見回した。
そう、
私は辺りを見回したのだ。
しかし目の前に広がる光景は
この世のものとは想えないほど、
ここは………
酷い惨状なのだ。
まず、ここは私の通うごく普通の高校だ。
いや、高校のはずなのだ。
だって、この見慣れた屋上も、友人とふざけ合って付けてしまったペンキの後も…全部、全部いつもと変らない光景のはず、なのだ。
あんな大きな<もの>は知らないし、半壊してる屋上だって何かの冗談だ。
しかし<ここ>が現実だと痛感させる物もいっぱいある。
先生が作った木の椅子とか(もの凄い不恰好だから見間違える分けない)
最近功績を挙げた運動部の為の垂れ幕とか、もうすぐ始まる文化祭の小道具とか、あと少しで終わる課題の入った鞄とか………
そして、極めつけは私の近くに怪我をした猫がいることだ。そのもうおじいちゃんの猫は誰かが可哀想で拾ってきて色々あって、学校で代々面倒を見ていた子だ。
しかし今目の前にいる猫は見慣れた<猫>とは違った。
そして<普通>の猫とも違う。
尻尾は二股に分かれていて、膝に顔を埋め時折
「痛い・・・助けてくれぇ、足が、痛いのじゃ」
と助けを求める声がする。そこに“彼“が近づき手当てし始める。
「うーん。待ってろよ、今手当てしてやるからな」
「………こわっぱ、めが、借りじゃぞ!」
二人の会話に唖然とした。
「風ちゃんが、しゃ、べってる??」
「そりゃあ、こんなに長生きしてんのに喋らないわけないでしょ?………確かじいさん、あんた何年目?」
ギュッと細い木の枝と包帯と何かの薬草で風ちゃんの応急処置を慣れた手つきでして行く彼。
「……っ…痛いんじゃが??」
「………応急処置終わりと、で、じいさん、改めて、何年ここにいるんだ?」
何を言っているのか分からない、何故、何で?
どういうこと?
「………かれこれ、20年………いや、もう、30年はたったかの?………1度死んだ………いや、死んでは無いのか、もうそこら辺も分からんのじゃがな。そのくらいよ。」
「………やっぱりな。餌見て何かおかしいなぁ?と思ったんだけど。」
「餌だけでは無いじゃろう?この小童が。お主こそここに居なくとも良かろうに。」
風ちゃんがジロリと透くんを睨んでいる。
「ざーんねん。俺はそろそろ免許更新出来なくなんだよね~。だから、高校の卒業証書必要なの。しっかりと卒業して取らないと五月蝿い人がいるんだよねぇ。」
「それに、ここだと今回は内部から手伝ってくれる人もいるしね。」
「ふんっ。まぁ、早く治すか何かしらせんとそろそろこやつが起きるぞ?また暴れられたら厄介じゃ。最近ろくに寝れてないと言うのに………。」
「はいはい……さぁて…こいつは、切り傷と腹下りだな。山の不法投棄のゴミでも喰ったか??それか………」
「………さっき、い、痛いって言ってた、よ、お、お腹の中が。」
「あれ?君、こいつのいってる意味わかったの?」
「な、何となく。何時も、は、聞こえない、ふりしてるけど、姿、は初めて、見た。」
私はつい言ってしまった。
しかし、この言葉が、いや、この言葉ですべてが変わってしまった。これから起こるであろう平凡な日常も、絶対に係わりたくないと思っていたモノ達との日常も全て全てこの言葉によって繋がってじしまった。
「………へぇ、君、“危ない” ね」
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