異世界でレストランのウェイトレスやってます!!
「さっさとしなさいよ!」

「っ!!」

零れてくる涙を我慢するため、唇を噛む。床に落ちている皮を拾おうと手を伸したそのとき、

「ちょっといいかな?」

男の人の声が聞こえた。

「ル…ルーウェン様……」
メイドが驚きの声を上げる。

「この子は開店前とはいえ、ここに来た客じゃないのか?」

すると、こちらに寄って皮を拾おうとした手を捕まれる。

「っ?!」

顔を上げるとその容貌に息を飲んだ。
肩よりも少し長い金髪に、エメラルドグリーンの瞳。すっと通った鼻筋に形のいい唇。

「驚かせてすまない。立てるか?」

ルーウェンと呼ばれた男の手を掴みながら立つ。

「えっと、あの…」
腰に手が回された状態になる。
方向転換し、お店の出口へ向かう。

「メリア、この子は俺が引き取るよ」

「し…しかし、ルーウェン様っ!」

すると、横目で睨むように見る。
「いいね?」

「はい……」

「それじゃあ、行こうか。」
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