千日紅の咲く庭で
私の曖昧な答えのせいなのだろう。

何となく途切れがちになってしまった会話をどうにか続けながら、気付いたらもう私の家の前にいた。

「杉浦さん」

東谷くんにお礼を言って、家に入ろうとした直前に東谷くんは私を呼び止めた。
振り向くと東谷くんの真っ直ぐな注がれる視線に、私は思わず俯いた。



「前も言ったけど、杉浦さんには後輩じゃなくて1人の男として見てもらいたいです」


それは、つまりその、好きってことだよね？

なんとなく気付いてはいたのだけれど、こんなにはっきりと改めて言われた言葉に、私は言葉を返せない。

返す言葉すら探し出せない。


この間だって何となく口説かれたとは思っていたけど、そこまで東谷くんに本気に想われていたとは思っていなかった。
今まで後輩としか思っていなくて、私は困ってしまって、思わず東谷くんを見つめてしまった。

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