千日紅の咲く庭で
「ところでなんで居るの?遅くなるし、ご飯だって食べて来るって言ったじゃん」

岳の態度にカチンとしてしまった私は、思わずつっけんどんな言い方で岳を問い詰める。


「変な気を起さないように、と思って…」

売り言葉に買い言葉ってきっと今の私たちの会話の事を言うのだろう。

岳だって私の言葉にカチンときているようだった。


いつもの口喧嘩が今日も勃発してしまった。



「変な気なんて、起こすわけないじゃん」

頬を膨らませて呟いたら、岳は私を見下ろして鋭い視線を送ってきた。

「ふぅん。変な虫と変な気を起こそうとしてたじゃん」


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