千日紅の咲く庭で
あっ、でも…。

もし岳に彼女が出来たら、もし岳が他の誰かと結婚することになったら、私の家で一緒に過ごすこともなくなるんだろうな。


岳の横に並ぶ私ではない、他の女の子。

そんなことを想像したら、妙に寂しくて、ちょっとした嫉妬心まで湧いてきそうになってしまい、1人落ち込んで、ため息を盛大に漏らしてしまった。



「杉浦さん、どうしたの?」

「いえ、大人になって友達が減っちゃうって辛いなぁって考えただけです」

どうやらため息は思った以上に大きかったようだ。


上野さんに心配そうに尋ねられて、私はごまかすように慌てて笑顔を作るしかなかった。

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