千日紅の咲く庭で
ゴールの我が家まで、残り500ｍになった時だった。

私は道路の縁石ブロックに派手に躓いてしまった。
どうにかバランスをとることが出来たおかげで転倒は免れることが出来た。


「大丈夫か？」
「うん。もう恥ずかしい」

心配そうな岳に笑って見せたけど、歩き出そうとすると右足首に鈍い痛みが襲ってきた。
「いたっ」

どうやら足首をひねってしまったらしい。

心配そうな表情を浮かべる岳に強がって笑って見せるけど、一度痛みを感じてしまうとじわじわと痛みが足首を蝕む。

「本当に大丈夫なのか？」
「うん。少し休んだら歩けそうだから、大丈夫だよ。家までもう少しだから歩けそうだもん」

そう、ちょっと休憩すれば大丈夫なんだから。



自分の心にも言い聞かせるようにして、目と鼻の先にあったバス停のベンチまで歩こうとした。

けれど、数歩歩くだけでズキズキと鈍痛が足首に走ってしまう。

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