千日紅の咲く庭で
「泣き虫で、意地っ張りのくせに、誰にも心配かけないようにいつも笑ってばっかりで、そんな面倒くさい女…」


神様、さっきまで、素敵な幼馴染で居たいと思ったことは撤回します。

岳のあまりの口ぶりに私は思わず岳の言葉を壁のように突き返すように遮った。

「岳がそんなこと言うなら、私の相手なんてしなきゃいいじゃん!!」


やっぱり、いつもの売り言葉に買い言葉で口げんかが始まりそうな勢いだったのに。


「ちゃんと聞けよ、バカ!!!」

聞いたこともないほど、低い声のトーンで私を黙らせた。

岳は言葉と同時に、私の手首を強く握っていて、握られた部分が予想以上の力強さで私は押し黙ってしまい、身体をこわばらせる。


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