千日紅の咲く庭で
さっきまでの啄むようなキスとは全く異なる、私の唇を貪るような獰猛なキス。

唇を塞がれてしまった私が酸素を求めるようにわずかに唇を開くと、待ってましたとばかりに岳の舌が入り込んできた。


「んんっ…」

舌が絡まりあうと同時に頭がぼんやりしてきて、一気に体の芯の部分が熱を帯びていくのが分かる。


無意識に唇から漏れ出る声に岳は満足そうに口角を挙げて、唇を離した。



「岳ってどうしてそんなに強引なわけ?昨日だって、」

そこまで言ったら、昨夜の情事を思い出して、急に恥ずかしくなってしまって、恨めしげに岳を睨んでみる。

そんな私の視線にだって、岳は涼しい顔をしている。


「こうやって強引にでもしないと、花梨はやらせてくれないじゃん。」

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