千日紅の咲く庭で
「さっき言い忘れたけど、花梨って千日紅の花言葉知ってる?」

岳の質問に私は小さく首を左右に振って見せた。


「unfading loveとimmortalityって意味なんだって」

あまりの岳の発音の良さに驚きつつも、私の頭の上にはクエスチョンマークがたくさん並ぶ。

「永遠の愛と、不滅や不朽って意味」

日本語に訳してくれた岳の言葉に私は息を飲んだ。


「だから、花梨に千日紅のドライフラワー渡すタイミングが分からなかったんだよ」

照れ臭そうに頭を掻く岳を見る私の顔はもう真っ赤だと思う。


「さっき私、岳の渡したいものって指輪なんじゃないかって構えちゃったの。でも、そんな意味があるなんて知らなくて。指輪なんかよりずっとずっと嬉しい」


「ばーか。」

せっかく素直になったというのに、岳はいつもの調子で返事をする。

でも、岳の顔だって真っ赤に染まっている。


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