千日紅の咲く庭で
何を喋っていいかも分からず、意固地な私は繋がれた手だけを見つめながら歩いた。

岳の背中を眺めても、怒っているのか、それとも安心しているのか、感情がよくわからないでいる。

「ねぇ。」
「なぁ」

さっきは、ごめんね。

歩道橋の真ん中まで来て、意を決して素直に謝ろうと思ったら、岳の声と重なった。

「何?」
「どうした?」

ほら、また。

「岳から言って」
「花梨、先喋ろよ」

もうここまでシンクロしたらなんだか、さっきまでのことだって、どうでもよくなってしまう。

岳が振り向いたせいで私の視線とかち合って、2人で思わず吹き出してしまった。

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