千日紅の咲く庭で
「お騒がせしてすみませんでした」

玄関先で岳と並んで頭を下げると、お母さんとお姉さんは可笑しそうに笑った。


「いいのよ。喧嘩したらいつでも実家に帰ってきなさい、花梨ちゃん」

「たまには女子トークしないとね」

「いい歳して、女子トークって」
お母さんとお姉さんの言葉に岳はぶつぶつとぼやくのが聞こえる。

まぁ、しっかり2人にも伝わっていたみたいで、岳はしっかり睨ませていたけれど、岳にとってはそんなのどこ吹く風といったようだった。


いつもの3分の道のりを岳の1歩後ろを歩く。右手は岳がしっかりと握っていてくれて、いつもは冷たい岳の手が、今日はいつもよりも暖かいと感じる。


さっきまで降っていた雪はもう止んでいて、空には少しだけ星が瞬いて見える。


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