千日紅の咲く庭で
私も岳につられる様にして小雪ちゃんの方に視線を向ける。

小雪ちゃんは私たちの視線に気づいたようで、笑顔を向けて近づいてくる。


「岳から聞きました?岳、花梨さんが無理矢理でもセッティングしないと絶対結婚式しないって言うからって、今日までずっと内緒で準備していたんですよ。もうかなり無理難題を押し付けられて、プランナー泣かせの新郎さんですね。」

私を見て肩を竦めた小雪ちゃんはやっぱり可愛らしかった。
チラリと岳の横顔を見ると、耳まで真っ赤にして視線を泳がせている。

「花梨、バカな上に頑固で意地っ張りなんだよ。」

口でもいつもの意地悪なことをいう岳なのに、私の腰にそっと手を回したかと思うと私を引き寄せた。


「岳にとっては、自慢の可愛らしい奥様だもんね。そうそう、この間だって打ち合わせで、花梨さんのノロケ話ばっかり。」

からかうように小雪ちゃんが岳に向けた言葉に、私の頬まで一気に熱を持つ。

「ば、ばか…。何言ってんだよ。小雪だって、コインランドリーで花梨にうっかり結婚式のこと、喋りそうになっただろ?」

「だってまさか、あんなところで会うとは思っていなかったんだもん」

岳の言葉に今度は小雪ちゃんが焦る番のようだ。


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