千日紅の咲く庭で
「ふふっ…」


2人のやり取りに私は無意識に笑いが零れてしまった。どうやら私が二人の仲を心配することなんて、取り越し苦労だったみたい。


急に笑ってしまったから、2人の視線が私に向けれらる。


あ、あれ。やばい。
楽しいはずなのに、急に視界がぼやけて、鼻の奥がツンとした。

涙が一気に溢れだしてくる。


「どうした?」

心配そうにのぞき込む岳の顔さえ、涙ではっきりとは分からない。

「もしかして、ヤキモチ妬いちゃった?」

心配そうに声をかけてくれる小雪ちゃんに私は何度も首を横に振った。


違うんだよ、岳。
2人の気持ちが、岳の気持ちが暖かくて。

それでいて、こんなに大切にしてくれる岳に愛されて、幸せだな私って。
一人じゃないんだなって思ったら、泣けてきたんだ。

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