千日紅の咲く庭で
「これ、岳はいつの間に…」

「半年くらい前だったかな?我が息子ながらよくやるよな」

私の呟きに誇らしげな笑顔を浮かべたお父さんがそっと教えてくれた。

こんなこと、やっぱり岳はずるいよ。
胸の奥に一気に暖かくて熱い何かが押し寄せてきて、ようやく止まっていた涙が一気に溢れだしてくる。


「花梨ちゃん、いくよ」

お父さんの腕に手を回し、岳の所までゆっくりとレッドカーペットを歩く。

参列してくれている一人一人の顔を見ながら、涙で岳の姿がぼやけて見えた。
参列者の中にはもう目を真っ赤にさせている人だっている。

「これは花梨ちゃんの父親代わりとして言う。岳、花梨ちゃんを頼んだぞ」

岳の所までたどり着いた時、お父さんは岳に向かって小さく伝えた。
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