千日紅の咲く庭で
「もちろん」

岳は不敵な笑顔を浮かべ、お父さんの言葉に応える。

「まぁ、お前の父親として言わせてもらえば、でかした、岳!!ってところだな」

こんな時だって照れ隠しするお父さんは、岳の肩を優しく叩いてお母さんの隣に並んだ。


お父さんの腕に回していた手を、岳の腕に回す。

「花梨、幸せになろうな」


教会式になぞらえた人前式は、滞りなく進んでいく。

ちなみに牧師役は、小学校6年生の時の担任の先生だったから私は腰を抜かすほど驚いてしまったのだけど。


指輪の交換だって、いつの間にか岳が作成してくれていたようでサイズも私にぴったりだった。

「いつの間に?」
「花梨が寝ているとき。お前、いつも爆睡しているから計測助かった」

指輪の交換をしながら小声で尋ねたら、岳は意地悪を言いながら楽しそうに笑った。

「悪かったわね、鈍感で。」
「鈍感なのは寝ているときだけじゃないけどな」

「こら、お前たち。おしゃべりしない」

6年生の頃と同じように、私たちの内輪喧嘩を牧師役の先生が注意したものだから会場にどっと笑いが起きる。

私と岳はというと、顔を真っ赤にして小さくなりながら、お互いに睨みながら笑いあった。


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