千日紅の咲く庭で
私はあの日以来、どうにも眠りにつくことがなかなか出来ずにいて、それに加えて眠りも浅い。

それを知っている岳は、毎日私が寝付くのを待ってから寝ているみたいだし、私が眠りが浅くて夜中にごそごそしていると、物音に気付いて岳も起きる。


毎晩遅くまで、岳は私に付き合って一緒にテレビを見たり、喋ったりしているし、寝る時だって2人でそれぞれにリビングで寝ている。

もっぱら、私はソファーで、岳はテレビ前に敷いたお客様用の布団。



なんだか、岳は子供の面倒見る親みたいになっている。

ううん。

岳にとってただの幼馴染の私は、もしかしたら子供より手がかかっているのかも。



「岳だって付き合って寝ていないじゃん。」
「俺はショートスリーパー」

家に帰った方が眠れるんじゃない?

そう聞きたかったのに、私の言葉を遮るように岳は一蹴した。

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