千日紅の咲く庭で
「さて、寝るけど、添い寝しようか?」

パソコンをシャットダウンさせながら、大きく伸びをした岳は私に向かって意地悪な笑顔を浮かべた。


「バカ。」

私は思わず近くにあったソファーのクッションを岳に投げつけた。



「小さい頃は一緒に寝てたじゃん。1つの布団で」

「痛ぇっ」とわざとらしく呟きながら、投げつけたクッションを胸の前に抱きしめるようにした岳は、私の反応にますます楽しそうに微笑んだ。



「昔の話じゃん」

なんだか恥ずかしくなって顔に熱が帯びるのを感じながらも私はそっけない言葉を口にした。

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