天満堂へようこそ-3-
「ただいまー」

仕事が終わり、部屋に帰ると大体ムーが飛んでくるのに来ない。
おかしいなと思いながらも、リビングへ続くドアを開けると、ユーリさんがご飯の支度をしてくれていた。

「ユーリさん、何時こっちに?」と鞄を椅子にかけながら聞く。

「夕方に。姫の様子を見てきたのですが、あまり変わりなく、今はムーさんに側に居てもらってます」

「そっか……」

「それよりこれを見てください」と料理の本を見せられる。

指をさされたところを見ると、『毎日の食事を楽しく』と書かれている。

「何これ?」

「今夜はカレーライスと言うのを作ってみたのですが、ルーを入れるだけなんて簡単ですね。作り方も裏に書いてありましたし、親切な商品だと思いまして、その本に載っているのも買ってきてしまいました」
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