天満堂へようこそ-3-
え?っと本を見る。
本にはレストランのメニュー表に載っていそうな写真が貼られていて、いそいそと準備をしてくれているテーブルには、サラダとお皿に入ったご飯。
銀色に輝く魔法のランプのような形の、カレーポット。

「如何でしょうか?」

「いや、俺は普通にお皿にカレー……」そこまで言ってハッと気付く。

「最近やたらと買い物行きますよね?もしかして結月さん笑わせるため?」

「まぁ……TVを見たりしても最初は意味も分かりませんでしたが、陛下に私は堅いと言われてしまい、言葉遣いやお笑いといったことも勉強する毎日で」

「ユーリさん、俺は今まで通りのユーリさんでいて欲しいんだけど?でも、普段ならきっとこのカレーポット見て、大鍋の次はこれだ!とか言いそうですもんね……気持ちはわかるんですけど」

「そうですよね。でもこのカレーポットは好きな分量が掛けられると書いてあったので、今の姫にはいいかなと思いまして」
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