天満堂へようこそ-3-
書いたものをユーリに渡した男は呑気にコーヒーを飲んでいる。

「男爵の薬か?」

「そうだ。薬師のものでは効かずここに来た」

「ただの風邪だろ?万能薬でいいか?」

「それでいい。それとは別に骨折もあるが万能薬で治るか?」

「速効性が欲しいなら、骨の形成の薬があるが」

「それも頼む」

「ユーリ出してやれ」

目で合図されノアと一緒に薬置き場に行く。

「万能薬はここ、後はこのノートに薬の位置が書いてありますので、ラベルを必ず見てください。取り分け用の小瓶はここ。1回分がこの測りで3メモリです」

天秤のような秤と、置型の秤があるが、見たことのないメモリだったのでこちらのものとは違うとすぐにわかった。

「万能薬はこの秤に乗せ下の矢印が3になるまで入れてください。骨の方は奏太さんの持っているノートに配分が書いてあるので、天秤の秤で図ってください」

「ノア……」

「まず骨の薬を混ぜれば良いのでしょう。ここにH2とあります」

棚に貼ってあるシールを見ながら探すと、骨と書いてある。

「混ぜなくてもいいみたいだね?後は小鍋から……」

「あ、即効性のものは万能薬がベースです。ノア書き足しておいてください。この万能薬と骨の薬を書いてある通りに計り、瓶に詰めてよく振ってください」
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