天満堂へようこそ-3-
「奏太、ムーは大丈夫だ。今から客が来る。まずはそこの隅でノアと見学でもしてろ。ルーカス、護衛頼んだ」

「護衛って?」

「いいからそこら辺で見てろ」

チリンチリンと音が鳴り、ニコルの声が聞こえる。
「お客様です」

ユーリが扉を開けると、恰幅の良い中年の男性が立っていた。

「ここが新しい天満堂かね?」

「そうだ。店主の結月だ。ソファにでも掛けてくれ」

「では失礼」

そう言ってソファに腰を下ろしてすぐに、記入用紙を男に渡す。

「主の名前を先に、来店者のところに自分の名前を。ここのシステムはわかってるな?」

「嘘を書けば追放又は……」ドカンだろ?とジェスチャーする。

「何より王子がいる前で嘘はつけまい」

「下に症状を記入してユーリに返してくれ」

男が書いている間にユーリがコーヒーを出し、デスクまで下がる。
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