背中合わせ、そこから一歩。

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「あ、あの…さおりさん。
ぼ、ぼくと、付き合ってくれませんか!」





それは三年前の冬、君からの突然の告白。



当時、28歳、恋人なし。



母からの連絡の最後の文に、半年に一度つけられてくる

「孫の顔が見たいな」

という言葉に込められた

結婚はまだか
彼氏もいないのか

なんて圧力。


君からのその告白は

そんな母からの圧力に、
まだ20代だからという理由で逃げるのもそろそろきつくなってきた私に巡ってきたチャンスだった。





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