背中合わせ、そこから一歩。
22歳で新入社員の君が同じ部署に入ってきた春。
いい歳こいた職場の先輩としてたまに仕事を教えてあげたり手伝ったりしただけで、
まさか好意を寄せてくれているなんてこれっぽっちも思ってなかった。
ただ、色々と仕事が重なって定時を過ぎても帰れない、そんな日に
「お疲れ様です。」
そう言って君のいれてくれたコーヒーは、
自分でいれるより
何倍も美味しくて、ほろ苦くて、
大好きだった。