背中合わせ、そこから一歩。
実を言うと、
私からみて君はただの可愛い後輩だった。
弟みたいな感覚だったし、
年上の方が好みだった。
だって、年下ってどうしても
私が歳を気にして引け目を感じ、申し訳なくなってしまうから。それが嫌だったから。
「こんな、いい歳こいた私なんかやめなよ。
同期に可愛い子いっぱいいたでしょう?」
だから、母の圧力から逃げ出せる絶好のチャンスを逃すようなことを言ってしまったんだ。