お姫様とお嬢様
愛芽は電話も出ねぇし楓からはバカにされるし!!



気分最悪!!



「兄貴、マジで見合いなんてしねぇからな!!」

「それはムリだよ舜君。もう日取り決めちゃったし。」

「は…。何勝手に話し進めてんだよ…。」

「嫌われるように仕向ければ大丈夫でしょ。もし失敗したら愛芽チャンは俺に任せなさい。」



ふざけんなマジで…。



この話しが日向さんの耳に届いたらどんな顔して愛芽ん家いけばイイんだよ…。



「兄貴なんてあてにしねぇよ…。」

「そう?でも俺は味方に付けといた方がイイよ?何かと役にたつから。」



そんなこんなで愛芽とは気まずいまま夏休みを迎えた。



今日は見合い…。



相手のお嬢さんはなかなかの美人。



「おキレイなお嬢さんですね社長。」

「はっはっはっ!!手塩にかけて育てたからな!!」



兄貴のいらぬ言葉で始まった見合い…。



スーツの俺に対してあっちは着物…。



「伊藤小百合です。」

「あ、初めまして…。七瀬舜太と申します…。」

「舜太さんのご趣味は…。」



確実に不機嫌な俺はキレた楓みたいな顔をしてると思う。



気付けよ小百合。



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