お姫様とお嬢様
薬は愛芽の口の中だ。



そのまま俺の片手で愛芽の両手を押さえた。



「ん~!!」



もう片手は愛芽の口。



「このまま飲み込めねぇよな?」

「んんんん~!!」

「水やるから飲めよ。」



頷く愛芽を起こして水を渡した。



べ~っと出した薬…。



「愛芽!!」

「もうイヤ!!舜太なんか帰れ!!薬気持ち悪い~…。」



ついに泣き出した…。



そんなに嫌いなのかよ…。



もうムリさせたくない…。



「愛芽?ごめん。」

「やだぁ~…。」

「飲まなきゃ熱下がんねぇぞ?」

「耐えるからイイの…。」

「じゃあそばにいてやるから…。でもこれより酷くなったら飲めよ?」

「やだもん…。」



ここまでワガママかよ…。



超手のかかる彼女だ…。



寒そうにしてる愛芽を布団の中で抱きしめた。



超しんどいだろ…。



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