お姫様とお嬢様
愛芽を連れて図書室に来た。



ここはいつも誰もいねぇんだ。



「愛芽、なんでチィにだけそんなに妬く?」

「だって愛芽の知らない舜太知ってるじゃん…。」

「愛芽の知らない?」

「中学の舜太なんて知らないし…。なんかイイ子っぽいし…。あのバカアイドルみたいなのだったら遠慮しないけどさ、なんか愛芽とタイプ違うんだもん…。」



そんな事思ってたのか…。



まぁ確かにタイプは違う。



どっちかと言えばチィは乃彩チャンタイプだ。



「付き合ったきっかけとか別れた理由とか知らないし…。」

「付き合ったきっかけはチィが部活のマネやってて俺が告られた。」

「何で別れたの?」

「遠距離になって…。お互い心移りしたかな…。」

「…………じゃあ離れたら愛芽とも別れる?」

「別れねぇよ。愛芽は愛芽だしチィはチィ。」

「ヤダよぉ…。」



泣きそうな顔の愛芽が俺に抱き着いた。



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