お姫様とお嬢様
そのまま愛芽は俺を教室から出した。



「何で1年の教室でケンカしてんの?」



愛芽がそう言った瞬間チィが駆け寄って来た。



お前は出て来るな!!



「あたしが頼んだんです!!舜チャンくらいしか頼れる人がいなくて…。」

「何を頼んだって?」

「ストーカーされてて…。それでお願いしたんです…。」

「あんたさ、舜太の何?舜太しか頼れる人がいない?そんなの口実でしょーが。てめぇの身くらいてめぇで守れチビ。」



それだけ言って愛芽は俺達に背を向けた。



ヤバイ…。



「舜チャ…。」

「わり。もう解決だよな?後は知らねぇからな。待てよ愛芽!!」



愛芽の後を追った。



スタスタと先を歩く愛芽。



「おい愛芽!!」

「…………。」

「愛芽…。」



愛芽の隣に並んで顔を覗き混むと唇を噛み締めて涙目だった…。



うわっ…。



俺が悪いよな…。



「愛芽、ちょっと…。」

「イイ…。あの子のとこ行ってイイ。愛芽に構うな。」

「何言って…。」

「愛芽帰る。」



そのまま昇降口に向かってしまった。



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