お姫様とお嬢様
こんなんで帰せるわけねぇじゃん…。



「頼むから話し聞けって。」

「ヤダって!!結局愛芽がいないとこでそうやっていろいろやってんじゃん!!」

「だからまずちゃんと話し…。」

「舜太のバカ!!」



バシッと殴られた…。



いてぇ…。



でも愛芽の顔が俺より苦しそうで何も言えなくなった…。



「舜太なんて信じなきゃよかった!!大嫌い!!」



バッと走り去った愛芽…。



俺は何も出来ずにその場に立ち尽くした。



「舜チャン大丈夫!?」

「るせぇ…。」

「でも…。」

「うるせんだよ!!」



どうしてイイかわからないイライラと自分の情けなさ。



完璧にチィに八つ当たり。



そのまま教室に行って愛芽の鞄と自分の鞄を持って学校を出た。



もちろん向かうのは愛芽の家。



「あ、舜チャンだ。」

「瑛太さん、愛芽帰った?」

「部屋にいるよん。」

「どーも。」



寧音さんはいなくて瑛太さんだけがいた。



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