マザー症候群

 「俺、何にも出来なくて。すいやせん」
 游が小さく頭を下げた。
 「遊は、私の息子になってくれただけで充分よ。それが、どれだけ私の救いになっているか」
 「まじっすか」
 「本当よ。人間、生きていれば嫌な事もあるものよ。それでも生きなきゃね。遊がいてくれて本当に助かったわ」
 美波、心から游に礼を言った。
 「俺、お袋の為なら・・・」
 游のうちにぐっと熱いものが込み上げて来た。
 (お袋を守りてえ)
 実の母親に抱く感情。それに似たものが游の心の中に芽生え始めた。

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