マザー症候群


 ホテルに到着。 
 ホテルは二人 同部屋。
 游は部屋に一歩足を入れてどきっとした。
 (あっ、いけねえ。親子、親子)
 游は親子という二文字を頭に叩き入れた。
 美波は浴衣を持って游に話し掛けた。
 「遊もお風呂に入らない。良かったら家族風呂でもよくってよ」
 「えっ、家族風呂すっか・・・。お、俺はいいっす」
 遊は一瞬どぎまぎした。
 何故って?
 何故なら、美波の裸を身近に見て親子で通す自信が無かったから。
 今回の旅行。美波から親子の設定でと聞かされた時、游は内心驚いた。でも、でもである。金閣寺で美波の涙を見た時、かなりの訳ありと、游は思った。
 あの涙にかけて美波との約束を守りたい。
 そうする事で、美波の役に立てればと、游は心から思った。


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