マザー症候群
「波斗が留学を終えて帰国したの。それで私は関空へ迎えに行ったわけ。当然、彼女も来ていたわ。どうなったと思う・・・」
美波が、関空での嫌な思い出をかいつまんで語り始めた。
「仕事の合間を抜けて迎えに行ってるのよ。酷いと思わない。私頭に血が上ったわ」
あの時の、怒りが美波の胸に、またこみ上げてきた。
「馬鹿にしてるわね」
知美も少し興奮気味に。
「結婚前から宣戦布告やな。近頃の子は強いから」
真知子も語気を強めて。