マザー症候群
地下鉄心斎橋駅近くの一流ホテル。
その地下1階のバーで美波がワインを飲んでいると、そこへ遊が。
「食事は」
「済ませた」
「何か飲む?」
「黒ビール」
游は無口だ。殆ど喋らない。
倍ほど離れた若い男と女が、する話題など無いと言っても過言ではない。
美波は、游の無口が逆に有り難かった。
游が黒ビールを飲み終えるのを待って。
「いいの」
美波、游の目を見て。
「いいっすよ」
と、無表情な遊。
ホテルの部屋はすでに予約済み。
「708号室ね」
「了解」
鍵を渡すと、游はひとり先に部屋へ。
会計を済ませてから、美波が遅れて部屋へ。