マザー症候群

 「ごめんな。許してな。何であんな事言うてしもたんか、うちめっちゃ後悔してる」
 そう言うと、道瑠は泣きながら波斗に向かって土下座をした。
 「ほら、この通りや。許してな」
 「道瑠。何をするんだ」
 波斗が慌てて道瑠の腕を引っ張り立たせようとした。
 「いやや。許すと言うまで土下座するんや。幾ら謝っても謝りたらん。わかってる。わかってるけど。土下座をして謝りたいんや」
 「もち、許すよ。別に気にしていないから」
 「ほんま。嬉しい。うち、波斗がいなかったら生きてはいかれへん。波斗の事が、気が狂う位好きやねん」
 土下座をしながら泣く道瑠が、本音をぽつりと。
 「俺も。同じだよ」
 「ほんま。ほんまにほんま。波斗の事を思うと、うち気が変になる。さっきもそうやったんたんや」
 人目も気にせずぼろぼろと泣く道瑠。
 (こんなにも俺の事を・・・)
 波斗は道瑠のことをこの上なく愛おしく思えた。


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