言わなきゃわからない?
喫煙スペースのドアの前。
あたしは少し背伸びをして中を覗いた。


「あ、いた」


ドアを叩こうとしたところで、後ろから声をかけられる。


「だれか探してる?」

「あ、江藤さんを…」


声をかけてきたのは栄さん。
あたしはドアの前からよける。
栄さんはそのドアを開けて江藤課長を呼んだ。


「江藤さん。相田さんが探してますよ」

「お、サンキュ」


江藤課長は吸っていたタバコを消して、こっちに来た。
栄さんは中に入るのかと思えばあたしと一緒に通路にいる。


「ありがとうございます」

「いや。オレも話があるから」


江藤さんにかな。
そしたら、あたしはちょっと待ってようか。

あたしは少し離れたところに立つ。
喫煙スペースから出て来た江藤課長があたしと栄さんを見て「お、ちょうどいいな」と言って近くのミーティングルームのドアを開けた。
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