高貴なる社長のストレートすぎる恋愛に辟易しています。
「片桐ちゃん、お疲れ」

しばらくして二階堂さんが元気な声をあげてやってきて、時頼さんも無言のままやってきた。

「で、任務完了?」

声を弾ませながら二階堂さんは藤崎社長に向かって話す。

「さっき添付ファイルを送っておいた。これで教授も満足だろ」

「あー、助かった。これでしばらく呑気に仕事ができる。サンキューね、片桐ちゃん」

「俺は反対してたんだけど」

と、時頼さんが口を挟んできた。

「あの、どういうことですか?」

「Ai事業の一環でね、恋愛に関する行動パターンを予測させるために実証試験させるためのデータ収集をしてたわけ」

二階堂さんはニンマリとした笑顔で答える。

「俺はつむぎのことを考えていたわけで、実験の対象者に選ぶことはないだろって」

申し訳なさそうに時頼さんがつぶやいた。

「わたしの行動を把握だなんて。最初からそのつもりで?」

「オレはやめておけって時宗にいったんだけどね。時宗がノリノリでさあ」

二階堂さんは藤崎社長を肘で腕をつんつんとついている。

結局ビジネスで藤崎社長はわたしに接していたんだ。だから手を出さないようにしていたんだ。

「ですが、ここまでで終了です」

「教授もそれ以上は突っ込まなくっていいっていってたから、そうとうのめり込んだんだね、片桐ちゃんに」

二階堂さんはクスクス笑っている。

「芝居に付き合わされるのもつらいよ。彼女にフォローしておくわ」

と、時頼さんがスマホを取り出し、電話をかけた。たぶん、あのケバ子さんなんだろうか。デートの約束が伝え漏れている。

「ごめんなさい。つむぎさん、今まで騙して」
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