高貴なる社長のストレートすぎる恋愛に辟易しています。
藤崎社長もけじめをつけようと思っていたんだ。

「想像もつかないことが起こるものなんですね。つむぎさんを知ろうとすればするほど、ビジネスなのに気持ちが高ぶってくる」

この通りは以前時頼さんの荷物を届けたところだったな、と思いながら、商業施設のあるタワーマンションの地下駐車場に進む。

「あ、あの」

「本当はこんなやり方、卑劣かもしれませんが」

と、車を降り、直通の居住用のエレベーターに乗り込む。

見覚えのある階数で降り、力強い足取りで奥のドアを開く。

「あの日は特別に時頼を呼んだだけですよ。今は僕しかこのマンションに住んでいない」

手を引いて、階段をあがり、薄暗い藤崎社長の部屋へとたどり着いた。

「ずっと縛りつけていてあやまるのは僕のほうです。嫌いになりますよね?」

藤崎社長はわたしの顔を悲しそうな目をしてみていた。

「……わたしのほうこそ、彼氏がいながら、藤崎社長に受け入れられようと必死になってごめんなさい」

ぎゅっと藤崎社長を抱きすくめる。

呼応するように藤崎社長もわたしを抱きしめてくれた。

「妄想を叶えますよ。どうしたらいいですか?」

「あとは、お任せします」

「わかりましたよ。僕の気のすむままで。つむぎさん、僕のわがままについてきてくださいね」

黒いシーツがかかる大きなベッドに藤崎社長はわたしをやさしく押し付けた。
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